2人式まとめ

 随分前から書きかけだった記事を発掘。2人だけで結婚式を挙げることについて、自分の体験を交えてまとめてみた。
 まだまだメジャーではないと思うので、興味のある方の参考になれば。

【2人式を挙げる人】
 結婚した友人や知り合いは自分の周りに10組ほどいるけど、2人式だったのは1組もなく、身内式すらない。うち8組は式と披露宴を行い、2組はどちらも行っていない。まず2人だけで行うという発想が出てこない人も多いだろうし、基本的に何らかの事情を抱えた人や貯金しておきたい人がやるという認識。
 ただ、「そのお金を他に使ったり貯蓄に回したりしたい」という理由をよく見るけど、その前に「本当はやりたいけど」がつくのであれば、写真だけでも撮っておいた方が良いと思う。
 また、正直、友人がたくさんいるアクティブでリア充なタイプの人には向かない。席の方を向いてもガランとして誰もおらず、結構寂しい。「自分には隣にこの人がいるから」と思えないのであれば、2人式はかえって後悔の元となってしまう可能性がある。

【どのような事情?】
 代表的な事情はお金がない、お金をかけたくない、家族や親族と不仲、できちゃった婚、その他の理由で過去に式を挙げなかった・挙げられなかった、など。
 自分達は、一つは遠慮なく呼べる人がいない(時間とお金をかけてもらってまで来て欲しいと言えるような人がいない)という、それこそ特殊?な理由だった。なので誰かを呼ぶなら無料で参加してもらえるようにしたかった。
 で、当然そこまでの財力はないので諦め、身内も夫のご家族といとこしか呼べないという状態。最初は祖母のために挙げるつもりだったけど、亡くなった以上その理由も消えた。自分の親は絶対に呼びたくない。仮に呼んだとすれば、いとこはともかく夫の家族は「なんで親御さん呼ばないの」と言うに決まっている。私は言われるだけなら別に良かったのだけど、夫が「親は良くも悪くもお節介だし、どこかでポロッと(私の親に)バラしてしまう可能性がある」と言って内緒にしてくれた。
 そしてもう一つ、ウェディングハイの被害に遭ってきたことや、実際に参加してもただ疲れただけだったという経験しかなく、結婚式(主に披露宴)に対してドライな見方をしているというのも大きい。よほど親しい人ならともかく、所詮他人からすればそんなものだと思うと尚更呼べない。

【お世話になった親への感謝の気持ちを込めてやるもんでしょ?2人だけとかただの自己満足じゃん!】
 とか言えるのは平和な家庭で育った普通の人なので、特殊な人の事情なんて理解できない。もちろんそれが一番良いことだけど、そういう人もいることを頭の片隅に置いて、くれぐれも押し付けないでいただきたいと思う。
 仮にその人の言う通り親を呼んだとして、その先どうなっても責任を取ってくれるのか?所詮は他人事だからそんなことが言えるのだ、外野の言うことなんて放っておけ。と夫は言ってくれた。夫はどちらかと言えば上記の「普通の人」にあたり、最初は少しでも親の悪口を言うと機嫌を損ねていたけど、私の話を聞いて実際にその毒親っぷりも目の当たりにして「これはひどい、こんな親もいるのか」とわかってくれたようで、良き理解者となった。
 というかどんな式でも、強制的にやらされたり、本当は嫌だけど喜ばせたい人がいるから……といった事情でもない限り、基本は自己満足だと思う。

【カスタマイズ】
 2人式の良い所は、ゲストに気を遣わず自分達の好きなようにできること。
 人前では絶対無理!と思うイベントも、そういうのを見慣れたスタッフさん達の前だけでやるのであまり恥ずかしくない。例えばファーストバイトなんて何このバカップルアピールと思ったけど、そう、スタッフさんは空気。誰も見ていない。誰も見ていないのだ。大事なことなので2回言った。いやそれでもやっぱり恥ずかしかったけど、ゲストがいたら絶対にやらないからと思い切ってチャレンジしてみた。感想は特にないけどまあ……二度とない良い経験だったということで。
 もちろん、そういったイベントをなしにすることもできる。恥ずかしいものを全て取ってしまうと何も残らないけど(笑)。
 そして、結構内容を贅沢に(写真をプロのカメラマンさんにお願いしたり動画もお願いしたり、別途写真だけのプランを追加したり)しても、普通に式を挙げるより安い。そのお金で、形として残るものを多くできる。もちろん普通に式+披露宴+プロカメラマン+その他プラン盛り盛りのリッチな人もいるけど、そんなすごいパターンを考慮に入れてはいけない。
 ブーケとブートニアはこだわりたかったので別途用意したけど、どうでもいいウェルカムボードやリングピローなどは元々プランに付いているものを使用した。ケーキも数種類の中から2人で食べきれそうなものを選び、式の後に持ち帰っておいしく頂いた。
 後はペットもOKだったので、うちの鳥達を連れて行った。今はもう全員お星様になってしまったけど(´;ω;`) 一緒に写真も撮ってもらえたし、人間ではないけど、大事な家族と過ごすことができた。

【打ち合わせ】
 これもゲストのことを考えなくて良いので非常にスムーズ。お財布と相談しつつ、やりたいことを揃えていくだけ。
 ただ、それでもプランの決定の他に衣装合わせなどがあるので1回では終わらない(自分達は2回)。打ち合わせの日程も希望の日が空いているとは限らないので、どうしてもこの日に式を挙げたい!という希望があるなら早目(少なくとも2〜3ヶ月前)に行っておく必要がある。
 参照:ごーいんぐまいうぇい29歳は女子なの?

【式本番】
 事前に段取りを調べて練習しておくのがおすすめ。自分達は、直前に大まかな方法を教えてもらって一度リハーサルしただけで、ほぼぶっつけ本番だった。お陰でミスだらけ\(^o^)/
 入場時はゲストがいない分、牧師さん(役のおじいちゃん)が一人、ありったけの力で拍手をしてくれて、何だかいたたまれない気持ちになった(;´ω`)
 他は進行役のスタッフさん、メイクさんやカメラさんしかいないので、特に嬉しいとか楽しいとかそういう感情はない。ひたすら淡々と進んでいき、「次はこれ、ああしてこうして……」で結構頭がいっぱい。後で普通の式を挙げた人とその話題で盛り上がれることを期待してはいけない。
 自分の場合、「ああ、私はこの人と結婚したんだな」という実感が湧いたのと、「こんな時くらい席に天国の面々が見えてもいいのに全然あかんなぁ」とか思った程度。
 ちなみに、メイク~式の前後に写真撮影が入った。厳密にはメイクから式の後まで撮りっぱなしなのだけど、式前後にちゃんとポーズを取っての撮影があるという意味。小さい場所での小さい式で、一日に何組ものカップルが執り行うため、撮影をメインにした場合はその分サクサク進めなければならず、感慨に耽っている暇はない。
 参照:もっちもちやで(記事の真ん中辺りから)

【写真撮影】
 式とは別に追加した撮影だけのプラン。この記事にも書いたけど、こちらの方が楽しかったし虚しさもない(笑)。
 当然撮影者はプロなので、普段自分の写真なんかとは無縁でも、ポーズなどをちゃんと指定してもらえるので安心。もちろん自分の好きなポーズも取れるけど、非リア充夫婦にそんなことができるはずがないので、全てお任せした。出来上がった写真を見て、やはりプロは凄いなぁ、お任せにして正解だったと感心した。
 プランはカラードレスと和装の両方。普通は式でウェディングドレス+お色直しでカラードレスか和装になるけど、私は式でウェディングドレス+写真でカラードレスと和装の計3種類にしたので、ちょっと贅沢。
 夫は式でグレータキシード+写真で白タキシードと袴。男性の格好ってシンプルだよね……派手なのもアレだけど。
 参照:眼福とはこのこと

【その他注意事項】
 衣装のための着替え、ブーケやアクセサリー類、鳥のキャリーケージ3羽分、帰りはケーキがプラスと、荷物が非常に多いので車がないと厳しい。自分達は車どころか免許すら持っていなかったので電車しかなかった。が、それもハプニングにより結局タクシーになった。
 また、アルバムはお任せプランと自分で選んで作れるプランがあり、自分でカスタムしたいよねーと思って後者を選んだものの、写真はデータでもらえて好きな時に見られるので、それで満足してアルバム作りが面倒になってしまった(笑)。当然、ネットで簡単!なシステムがあるはずもなく、全て手書きなので余計めんどくさい。これはあるあるなのか、前職の同僚(?)のお姉さんも同じことをおっしゃっていた。

【最後に】
 普段写真を撮らない分、こんな時ぐらいはね~ということで、形に残すことを重視した。ブーケやブートニアもプリザーブドフラワーにした。
 それだけなら式を挙げる必要はなかったのだけど、一生に一度のことだしせっかくならやっておきたかった。家族である鳥達も一緒だったし、母に祖父に祖母、呼びたかった人には無料参加してもらえたと思うし(笑)。
 誰もがイメージするような式を挙げたいのであれば、ゲストが誰一人いない状況というのは本当に寂しいのでおすすめできない。でも、それさえ問題ないと思えるなら2人式で十分と言える。
 長々と書いたけど、多くの人にとって一番の問題はそこだと思う。その式を誰のために、何のためにやるのかということ。私の場合、祖母を亡くしてからは自分だけのため、記念のため、夫婦の晴れ姿を写真や動画などの形で残しておくためという至って単純な理由に変わったので、誰かがいようがいまいが関係なかった。そういう割り切った気持ちでいられるのであれば、2人でも楽しめる。
 アルバムをお任せにしなかったこと以外は(笑)全く後悔していない。


 引きで見るとこんな感じでガラ~ンとしている。カメラパワーで広く見えるけど実はめっちゃ狭い。
 右は式の最中に色々手伝ってくださるスタッフの方。この誰もいない中、客席に向かって「虚しい」と思うことなく宣誓?やその他諸々をこなせる覚悟があればOK。要所要所で撮影してくださるので、これは写真撮影のためであって人に見せるためではないと思うのが一番かも。


 そういえば載せていなかった、この記事で書いていたリングの完成形。単純な人の写真ばかりではなく、こういう部分的なものや物体・背景のみのものもある。
 上が私で下が夫の手。なんかあまり変わらない感じがするのがちょっと悔しいけど、毛で……判断できるよ……( ´∀`)b
 それにしても、こういう構図とか撮り方とか思い浮かばないわ……さすがプロ。

 うん。人によって色々な事情があるけど、後悔しないようにするのが一番ということで、締め!

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